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■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から
 

第916回:コーヒーとトランプ関税

更新日2025/09/11 

 

私が初めてコーヒーの味を覚えたのは日本でした。友達と会うのは喫茶店、そして誰かを訪問した時に黙っていても出されるのがコーヒーでした。きっと外国人、アメリカ人だからと気を使って、コーヒーを出してくれたのでしょう。初め、砂糖と小さなプラスティックの容器に入ったミルク、クリームを入れて苦味を消していましたが、じきブラックで美味しく味わえるようになりました。

私の母は大のコーヒー党で、朝起きてから、夜ベッドに入るまでコーヒーカップをいつも手元に置く人でした。もっとも、アメリカではどこの事務所でもガラス製の大きなコーヒーメーカーが置いてあり、いつでも飲み放題にしてあるところが多いのですが、もちろんアメリカンコーヒー、番茶コーヒーです。コーヒー党の母の歯はアメリカ人独特の真っ白なタイルではなく、ベージュがかったコーヒーのシミがついていました。

私たちは、この頃朝に二杯、お昼ご飯の後に一杯のコーヒーを味わっています。

先日久しぶりにスターバックス珈琲店に立ち寄り、中カップの普通のミルクコーヒーを注文したら、5ドル以上でした。それにやたらに種類が多く、何がどうなっているか、一体何語なのか判断つきかねました。それでいて、日本の喫茶店のように内装に凝っているわけでもなく、ゆっくりくつろげる雰囲気ではありません。もちろんセルフサービスですから、看板娘のウエイトレスがいるはずもありません。

売れ筋、流行りは抹茶ミルク(アーモンド乳)だそうで、コーヒーだけでなく、他のモノも売ろうとしているようです。 そういえば、数年前までアメリカではアイスコーヒーは全く知られていませんでした。日本で夏になるとコーヒーは氷を入れ、ガッキと冷やし、グラスの表面が露で覆われるようなアイスコーヒーが主流だったと思います。どうしてアメリカやヨーロッパにアイスコーヒーがないのかなと思っていたところ、今じゃ当たり前になってきました。
 

これから確実にコーヒーが値上がりする、品不足になると、テレビ、マスコミで盛んに言われ始めました。原因は明らかで、トランプ大統領がブラジルからの輸入品に50%もの関税をかけたからです。他の中南米諸国は25%なんですが、アメリカで圧倒的に嗜好されているコーヒーはブラジル産で、どうしてブラジルだけに高い関税をかけるのか、理由は至って簡単。子供じみているのですが、ブラジルの現大統領ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルヴァ(Luiz Inácio Lula da Silva)が労働党の左派で、保守派のジャイール・ボルソナーロ(Jair Bolsonaro)元大統領を決戦投票の末、小差で破ったからです。

もちろん、ボルソナーロ元大統領は、その決戦投票は選挙委員会を巻き込んだ違法行為があったと、負け犬のように吠えたてています。元々、保守のボルソナーロ元大統領はいたくトランプ大統領を尊敬し、南米のトランプたらんとしていましたし、トランプとはナアナア、ツーカーの仲でした。今回の選挙でも楽勝を見込んでいました。

それを14歳から街頭で靴磨きをし、洗濯屋(日系ブラジル人の)などで働き、身体ができてからは実入りの良い鉄工所でプレス工として働いてきた(そこでルーラは手の指を失くしています)純然たる労働者あがりに負けたのです。いわばルーラは叩き上げの工員労働者なのです。

もちろん、トランプ大統領はそんな男、ルーラ大統領をハナから嫌っていましたから、ブラジルイジメに出たのでした。そのおかげで、コーヒー党は大迷惑を被ることになりました。もう一つのコーヒー産地はコロンビアですが、ドラッグの制裁が上手くいっていない、コーヒーの輸入に混ぜてコカインが入っていたとの理由で、アメリカにコロンビア産のコーヒーは入っていません。次のコーヒー産地はメキシコですが、これまたトランプ大統領、メキシコとカナダに50%の関税をかけると言っており、将来の見通しが立っていません。

物価の上昇は、ウワサだけで先行しますが、すでにコーヒーは徐々に値上がりし始めています。現在、12オンス(約340グラム)で7ドルから12ドルほどです。マアー、日本の煎茶、緑茶は100グラムで1,000円は当たり前ですから、それに比べるとまだまだ安いとは言えます。

煎茶、緑茶、抹茶が天候異変のため、生産量が例年の70%ほどになるとのニュースも伝わってきています。

私たちも、そろそろ白湯を飲む習慣を身につける時が来ているのかもしれませんね…。

-…つづく

 

 

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Grace Joy
(グレース・ジョイ)
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中西部の田舎で生まれ育ったせいでょうか、今でも波打つ小麦畑や地平線まで広がる牧草畑を見ると鳥肌が立つほど感動します。

コロラド州の田舎町の大学で言語学を教えていました。専門の言語学の課程で敬語、擬音語を通じて日本語の面白さを知りました。

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