第345回:飛行機の中での嫌われ者
アメリカの安売り航空券、ホテルのサイト、Expediaが飛行機の旅で一番迷惑なタイプの人をリスアップしていました。そのリストを見ると、なるほど私だけではなかった…と共感を呼びますが、同時にこんなリストを見てわが身を反省する人が少しでもいてくれたらな~と思わずにいられません。
私なりに、飛行機の中で一番嫌なタイプ、コン畜生と思わせるタイプを並べてみますと、まず隣に座られて一番嫌なのは超おデブさんです。
肘掛を占領されるだけなら良いのですが、彼もしくは彼女のお腹の肉が私の領分まで侵略してきて、肉攻めにあっている感じなのです。
最悪のケースは、両脇に大型デブに座られサンドイッチのように挟まれるケースです。こうなると飛行機の旅は太った食肉牛に押しつぶされそうになった子牛の気分で、まさに拷問です。日本にはそんなスザマジイ超おデブさんがまだ少ないので救われます。
一昔前ですと、子供の公衆道徳、躾(シツケ)が悪いのは日本人などのアジア人、ラテン系のメキシコ人、スペイン人、イタリア人と決っていましたが、どうもアメリカのガキどもも最悪になってきました。普段のシツケがなっていませんから、いきなり飛行機の中だけ行儀良くできるわけがありません。
通路を走り回る子供、泣き叫びグズル子供、彼らは子供だからしょうがない…と見逃してあげてもいいのですが、それを正そうとしない親の無神経さの方には弁解の余地はありません。"親の顔が見たい"とはこのことでしょうか。とりわけ、長い旅で少しでも寝ておこうかという時に、ウルサイ子供たちに囲まれるのは地獄です。
他人への迷惑を全く考慮しない人の項でググルとたくさん出てきます。座席の背を後ろからやたらに蹴る(別に蹴っているわけではないようですが…)人、立ち上がるときに背もたれをグイと掴み揺らす人、やたらにトイレに立つ人(これは止むを得ない事情があるのでしょうけど…)など、早く言えば他の人のことを考慮できない人たちです。
アメリカの航空会社は、国内線でチェックイン(お預け荷物、スーツケース)に別料金を取りますので、誰も彼もが機内に大きな荷物を持ち込むようになりました。しかも、航空会社は維持費、経費の安い小型の飛行機を多用していますから、オーバーヘッド・コンパートメントはギュウギュウ詰めでほとんど常に機内持込バッグが収容しきれません。
中には私の学生時代の引越し荷物より沢山スーツケース、紙袋、大きなバッグを抱え込んでくる人も結構見かけます。それらの人々のおかげで、座席に着席するまでが大変で、飛行機の乗り降りに異常に時間がかかります。
日本で飛行機に乗って驚くことは、皆が皆、実にスマートにサッサと動き、しかも機内持込手荷物が少ないことです。これは普段から満員の通勤電車での訓練の賜物かもしれませんね。
個人の嗜好の問題ですから、たとえ隣に座ったとはいえ、私がドウコウ言えた義理ではないのを承知の上で言わせて貰えば、ここぞとばかり無料サービスのお酒を呑む人に隣に座られると、大変迷惑です。 何度もキャビンアテンダントを呼び、お酒を注文する人が結構います。お酒、ウイスキーなどはやはり臭います。臭いです。
最近、少なくなりましたが、盛大なおしゃべりをされるのも面倒なことです。そんな人に限って、とても響く大きな声の持ち主で、その美声で延々と自叙伝を語るのです。まるで何度も語りつくし、後一歩で出版するだけのようにさえ聞こえます。この大声おしゃべり男女は、アメリカの飛行機でかなり出逢います。
眠りコケテ私の肩に頭を乗せかけてくる人、これもせっかく良く寝ているのだから肘鉄を一発かませて起すのも可哀想だし、そうかと言って我慢し続けるのも疲れるし、困ってしまいます。ウチのダンナさんは、「ソリャ、オメー、相手がうら若き美人なら喜んで我慢するけど、脂ぎったオッサンなら、肘鉄だな。相手によりけりだな」「それにしても、隣に美人が座る可能性は、宝くじに当るのと同じくらいの確率しかないのではないか」と感嘆しています。
今年も、飛行機の長旅が何度も待っています。
私の隣にそんな人が、どうか座りませんように…。とここまで書いたら、ウチのだんなさん、「オレ、超デブでもないし、酒も飲まないし、臭くもないぞ」とノタマッテおりました。これから私たち一緒に長旅に出るのを忘れていました。彼の隣に座る私も"若くも、美人でも"ありませんから、お互い様というところでしょうか。何事も一般論とワタクシ論は別のモノなのです。
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