第922回:アメリカの伝統? シューテング
このところ、毎日のように銃による殺人事件が相次いでいます。銃撃はアメリカのお家芸で、もう一人や二人殺されたくらいではニュースになりません。
その中で先日、極右の共和党サポーター、チャーリー・カークが狙撃された時は、大きなニュースになりました。と言うのは、彼が大のトランプ・サポーターだったからで、トランプ大統領は全米に喪を強いるように半旗(アメリカの星条旗をポールの中程までしか挙げない)を命じたほどです。
通常、慣例として、政治家、軍人、あるいは国民的英雄など、公的な立場の人が亡くなった時だけ半旗にするのですが、チャーリー・カークが活動的なトランプ・サポーターというだけで、国民全部に喪を強制したのです。
巷に狙撃銃が溢れ、殺人事件が溢れています。
最近の銃撃事件を拾って見ますと:
9月12日 イリノイ州 シカゴ 4名
9月11日 フロリダ州 タンパ 5名
9月9日 カリフォルニア州 サンフランシスコ 6名
9月8日 カリフォルニア州 サンタ アナ 1名
9月7日 オハイオ州 クリーブランド 5名
9月7日 テキサス州 クリーブランド 4名
9月7日 テネシー州 メンフィス 4名
9月6日 ヴァージニア州 ポーツマス 4名
9月3日 ミズーリー州 カンサスシティ 5名
9月1日 ニューヨーク州 ニューヨーク 5名
9月1日 イリノイ州 シカゴ 5名
9月の12日間で11件の銃撃事件が起きているのです。これでは毎日のようにと言っても、決して大袈裟ではないでしょう。
これを書いているのは9月17日ですが、今日も5人の警察官が撃たれ、3人死亡、2人重症の事件が起きています。
ユタ州のユタヴァレー大学で射殺されたチャーリー・カークは、170ヤード(約150~160m)離れた3階建てのビルの屋上から狙撃されましたが、狙撃犯のテーラー・ロビンソンは、特別な射撃訓練を受けたわけでもなく、ガンマニアでもなかったようなのです。
銃火器の専門家によれば、市販されている狙撃銃で170ヤードくらいの距離の標的、リンゴほどの大きさにヒットさせるのは誰にでもできることだと言うのです。誰でもゴルゴ13になれるのです。テーラー・ロビンソンも3発撃ち、3発とも命中させています。
この事件は政治がらみで大々的に、しかも連日報道されていますが、銃を使わない傷害、殺人も多く、ウクライナからの若い難民女性が電車の中で後ろから頭を押さえられ首を切られたり、ミシシッピー州のデルタ州立大学校内で21歳の黒人学生トレイ・リード君がリンチ方式て縛り首になり、木からぶら下がっていた事件など、ニュース種にもなりません。
テレビの地方ニュースはもとより、全米ニュースでも一言も触れていませんでした。まるで、黒人の学生一人がリンチに遭ったくらいのことで騒ぐな…と言っているかのようです。
このリンチは、私も偶然からインターネットで見つけたのですが、10年前にも同じようなリンチ事件があり、その時は地元の警察、州の警察も、これが他殺であるという証拠がないとして、捜査を辞めています。
トレイ・リード君をリンチにかけた殺人犯どもが逮捕され、裁判にかけられることを祈っていいます。
法治国家たらんとしているアメリカは、歴史を逆行するように、黒人をリンチにかけ、反対勢力を弾圧し、銃火器を、戦争用の連発狙撃銃を誰でも簡単に手に入れることができるようになってきているのです。
一体、アメリカはどこへ行くのだ、どこへ向かっているのだ、と悲嘆せずにいられません。
-…つづく
第923回:報道に忖度はいらない
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