のらり 大好評連載中   
 
■亜米利加よもやま通信 ~コロラドロッキーの山裾の町から
 

第926回:言葉の遊び、パズル、ゲームショー

更新日2025/11/27 



私自身が言葉のクイズや遊びが大好きなのは、両親ともに言葉のゲームがマニアと言うほど好きだった影響かも知れません。特に、母親は朝、カップ一杯のコーヒーと新聞のクロスワードパズルをこなさなければ、一日が始まらない人でした。

どんな新聞、雑誌でも極右からゴチゴチの極左まで、『ウォールストリート・ジャーナル』から『ニューヨーク・タイムズ』まで、必ずクロスワードパズルが載っています。ということは、新聞、雑誌、硬いものから柔い読み物誌までクロスワードパズルを掲載していますから、それだけ幅広い人たちが楽しんでいるのでしょう。

テレビでも『ホイール・オブ・フォーチュン』(Wheel of Fortune;幸運の車)という30分のフレーズや格言を言い当てる番組が、私のお婆さんの時代から続いています。

それに家族が集まった時、熱中する言葉のゲームがあります。『スクラブル』(Scrabble)といって双六とボキャブラリーを兼ね合わせたようなボードゲームです。私の親戚一同が集まった時などは、二つ、三つの真四角なテーブル(4人のゲームなのです)をセットしなければならないほどです。ダンナさんは「まるで雀荘みたいだな」と言っています。
 
もう一つ、全米大会まである『スペリングビー』(Spelling Bee)という英語のスペルを正しく綴る(TV放送なのでスペルを口頭で言うことになりますが…)ゲームというか競技があります。この『スペリングビー』は地方の町、郡、州の大会を勝ち抜いてきた子供たちが全国大会に出場します。

今年の優勝者はファイザン・ザキ君で13歳でした。最終決勝の言葉は“eclaicissemt”でしたが、みごとにスペルを言い当てたのです。こんな単語英語にあった? 聞いたことがない、フランス語からの移入らしく、英語ではないと、言葉に煩い私は思いましたが、大きな辞書を見るとちゃんと載っていました。

意味は「立場を釈明する、人と了解がつくことを意味する」とあります。こんな言葉は普通小説や哲学の本にさえ出てきません。13歳の坊やがそんな言葉を知っていて正しく綴れるのにびっくり仰天、たまげてしまいました。

ファイザン君、昨年は惜しくも優勝を逃し2位でした。彼がスペルに興味を持ち始め『スペリングビー』に出場したのは7歳の時だそうで、それから研鑽を積み重ね今回の優勝に結びついたのでしょう。ちなみに今年の賞金は52,500ドルでした。
 
全国大会に出場する子供たちは、いずれもとても賢く、一種特別な子供でしょうけど、一様に皆明るく、暗いオタク的なところが全くありません。司会者がチョットした個人的で私的な質問をしたのに、打って響くようにユーモアを持って即答するのです。反応が実に早いのです。もちろん、時間をかけて熟慮するタイプの子はこんなゲームショーには不向きで、もっと学研的な研究に合っているのでしょうけど…。

『スペリングビー』の大会で驚くべき現象は、最終決戦に出場してきた子供の大半というより90%がインド系、中国系のアジア人で、コーカソイドの白人が極めて少ないことです。黒人、スパニッシュはゼロでした。どうにもインド、中国など、アジア人が数百年前にヨーロッパから渡ってきた白人より優秀だと考えないわけにいきません。

私たちはアルツハイマーの研究の対象者になり、2~3ヵ月に一度、長いインターネット・インタビューに応答していますが、アルツハイマーの研究者、お医者さんインタビューアーはインド系でした。テレビに登場する医療関係の解説者、コメンテーターもインド系のお医者さんが圧倒的に多いのです。今、父の主治医もインド系で、父はとても彼を尊敬し、気に入っているようです。私たちの主治医は、中近東のアラブ系です。
 
どうにも頭脳を使う仕事は、ひと昔前ならユダヤ系が多かったのですが、最近インド系、アラブ系がのしてきたのです。

我が同胞のコーカソイド、白ン坊は緻密な頭脳がないのか、基本的に真摯に努力を重ねることができず、ただ安楽に食べて太るだけが本品の特徴なのかは定かではありませんが、『スペリングビー』の子供たちを見ていると、いっそ、アメリカ政府、お役所もすべて、彼らに任せてしまった方が良いのではないかとさえ思えます。今でなくも、きっと彼らが大きくなって、アメリカを豊かな国に築き上げていくことでしょう。

-…つづく

 

 

第827回:相撲世界選手権と大相撲

このコラムの感想を書く

 

modoru

 

 

 

 

 

 



Grace Joy
(グレース・ジョイ)
著者にメールを送る

中西部の田舎で生まれ育ったせいでょうか、今でも波打つ小麦畑や地平線まで広がる牧草畑を見ると鳥肌が立つほど感動します。

コロラド州の田舎町の大学で言語学を教えていました。専門の言語学の課程で敬語、擬音語を通じて日本語の面白さを知りました。

■連載完了コラム■
■グレートプレーンズのそよ風■
~アメリカ中西部今昔物語
[全28回]


バックナンバー

第1回~第50回まで
第51回~第100回まで
第100回~第150回まで
第151回~第200回まで
第201回~第250回まで
第251回~第300回まで
第301回~第350回まで
第351回~第400回まで
第401回~第450回まで
第451回~第500回まで

第501回~第550回まで
第551回~第600回まで
第601回~第650回まで
第651回~第700回まで
第701回~第750回まで
第751回~第800回まで
第801回~第850回まで
第851回~第900回まで

第901回:マナーとエチケット
第902回:米語オンリー?
第903回:リズムに合わせみんなで踊ろう!
第904回:アメリカ人の法皇が選出されました
第905回:忖度と自主規制 、そして報道管制へ
第906回:外国人は辛いよ・・・
第907回:アメリカ的弁護士社会
第908回:器用と貧乏の関係性は?
第909回:明日は我が身、介護は身に迫る問題です
第910回:復讐心と戦争
第911回:気象異変と山火事
第912回:AI<人口知能>の世界
第913回:男色の世界、女色の風俗
第914回:辞書、辞典の活躍
第915回:“お迎えが来る”…まで
第916回:コーヒーとトランプ関税
第917回:天皇は神様?
第918回:抹茶狂想曲
第919回:増加している自閉症(Autism)
第920回:メタと呼ばれる麻薬
第921回:イエローブック、ブルーブック、レッドブック、そしてグリーンブック
第922回:アメリカの伝統? シューテング
第923回:報道に忖度はいらない
第924回:三食付きホテルが移動するクルーズシップ
第925回:ヴェテランとは誰のこと?

■更新予定日:毎週木曜日